2015年6月10日水曜日

ただいま展示替え中―所蔵品展示

新年度がスタートして早2ヶ月がたちました。2月3日からのロングランだった企画展「タグチヒロシ・アートコレクション パラダイムシフト てくてく現代美術世界一周」も好評のうちに5月17日に閉幕しました。(…って、改めて書いてみると、会期も長かったけどタイトルも長い、「長い」づくしの展覧会でしたねえ。館員もフルバージョンで言うことはほとんどなくて、「タグチ展」とか「てくてく展」とか略称していました。)

さて、岐阜県美術館はただいま第69回岐阜県美術展の開催(6月6日から一般部スタート)を前に、しばしの休館中です。5月29日から6月5日まで休館しております。


館はお休みですが、職員は開館中と同様、あいかわらず忙しく働いております。

まず所蔵品展示室。普段、なかなか手の回らない部分の清掃作業を丁寧に行いました。ケースから作品をすべて撤去してからっぽになったところで、ガラスの外側も内側もクリーナーも使って磨きました。建物同様、ケースも30年以上経っているため、ガラス自体に小さな傷があちこちに入っていて、新品同様にとはいきませんが、きれいになりました。ケース内や室内の壁面、移動壁もすべて、作品が無くなったところで、掃除用の粘着シート(当館では愛称「コロコロ」)を2度、3度ところがして、クロスにひっかかっているほこりを取りました。移動壁では、つい忘れがちな天井の部分も丁寧にコロコロをかけます(写真参照)。
部屋がきれいになったところで、6月6日からの展示作品を搬入しました。
1-A室では、久しぶりの展示となる藤島武二《公子像》(祭壇画のような額仕立てになっています)が登場します。スペインかぜ(今でいうところの新型インフルエンザ)で幼くして亡くなった少女、公子の追悼のため、遺族から依頼されて制作した肖像画です。藤島としては異色の作品ですが、髪飾りのリボンや着物の色彩の美しさと、素早くやわらかなタッチに、藤島らしさがよく出ているように思われます。
全体としては、7月から開催の企画展「日韓近代美術家のまなざし―「朝鮮」で描く」にあわせた内容になっています。企画展・所蔵品展示のどちらにも出品される藤島武二や村井正誠だけでなく、エキゾティックな女性像を描いた山本芳翠《琉球令正婦人肖像》(寄託作品)、戦争に直面した時代の前衛画家・靉光(あいみつ)《花園》(寄託作品)など、同時代の様相を鋭くとらえた関連作家の名品が勢揃いしました。ぜひ企画展とあわせてお楽しみください。

1-B室では「ルドンとルドンをめぐる画家たち」と題して特集展示を行います。こちらも久しぶりの登場、オディロン・ルドン《オリヴィエ・サンセールの屏風》。


左にかかっているのは、ニューヨーク近代美術館での企画展から帰ってきて、こちらも久しぶりのお披露目となる、ポール・ゴーギャンの木版画『ノアノア』より《ナヴェナヴェ・フェヌア(かぐわしき大地)》。その右隣は、ルドンを慕ったナビ派の画家、ポール・セリュジエの《消えゆく仏陀―オディロン・ルドンに捧ぐ》です。この他にもピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌのパリ市庁舎壁画作成のための大作《『慈愛』のための習作》や、宝石箱のように繊細なギュスターヴ・モロー《聖セバスティアヌスと天使》、花を描いたルドンのパステル画など、見どころ満載の展示となっております。
さらに1-C室ではマックス・クリンガーの版画集『手袋』、『イヴと未来』、『死について、第一部』が、それぞれ全セット揃いで展示されます。




きっと見てご満足いただけること間違いなし。6月の岐阜県美術館の所蔵品展示、お見逃しなきように!(青山)

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