2014年6月15日日曜日

ネジバナ


日に日に暑くなる、6月。今年もまたネジバナの季節がやってきました! 美術館の庭園で一斉に、淡いピンクの花を咲かせています。

 


















花は本当に小さいですが、ランの仲間だそうで、よく見ると一つ一つ複雑な形をしています。右回りネジネジと左回りネジネジの両方がありますね。いと愛らし。

 














ネジバナを見るたび、夏がやってきた…としみじみ思います。


さて、美術館では、夏の暑気払いに、一足早く「納涼の美」と題して特集展示を行っています。



↑岐阜市の所蔵家からご寄贈いただいた松尾芭蕉(まつお ばしょう)の真筆《山かげや》を筆頭に、滝や海、水辺の生きものなどを描いた爽やかな日本画を並べました。

《山かげや》は、美術館では初公開の作品ですので、内容をご紹介しておきましょう。

貞享(じょうきょう)5年(1688)、松尾芭蕉は、弟子の一人で岐阜の俳人である安川落梧(やすかわ らくご)に招かれ、約一か月、岐阜に滞在しました。その間、稲葉山(現在の金華山)の落梧の別荘で、納涼の趣で吟じた句「山かけや身をやしなわむ瓜はたけ」が、本作品《山かげや》に書かれています。

「落梧何かしのまねきに応じていなばの山の松の下涼して長途の愁をなぐさむほどに
 山かげや身を養わむ瓜ばたけ    芭蕉
 石井の水に洗ふかたびら      落梧」

(適宜濁点をつけています)

金華山の木蔭で旅の疲れを癒そう、ここには自分の大好物である真桑瓜の畑もあることだから…という意味でしょうか。なんとも涼しげですね。
《山かげや》は7月21日(月・祝)、海の日まで展示しております。
その後はまた、別の涼しげな趣の作品を入れ替えて展示しますので、お楽しみに。


工芸の展示でも、ガラスの水指(みずさし)や、流水紋の描かれた皿、川合玉堂が鵜飼の舟の絵を描いた茶碗など、バラエティ豊かな作品が並んでいます。

 














「紋紗(もんしゃ)」のわざで人間国宝に認定された土屋順紀(つちや よしのり)さんの着尺(きじゃく)「夏菊」も展示されています。淡い緑や黄色の糸がからまりながら創り出す文様の繊細なこと!! 向こう側が透けて見える織物、実に涼やかです。






特集「納涼の美」は、途中展示替えをはさみながら、8月下旬まで開催しております。美術館でひとときの涼を楽しんでくださいね。(A

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